心身の不調が続き、うつ病を疑ったとしても、自己診断で決め付けるのは危険です。なぜなら、病気の中にはうつ病によく似た症状が出るものもあって、専門の医者でなければ見分けることができません。正しい治療を行なうためにも、勝手な対策を行なうのではなく、専門医の診断を受けるようにしましょう。
うつ病に間違いやすい症状が出る病気に、甲状腺機能亢進症や、甲状腺機能低下症といった「甲状腺の病気」があります。甲状腺の異常は、特に女性に多く見られ、症状も無気力や睡眠障害、衰弱や体重が減るといったうつ病によく似ています。かつては女性だけのものと思われていましたが、近年、男女共に発症することが知られてきた「更年期障害 」も、うつ病に似た症状があります。
更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れですが、それによって引き起こされる症状の中に、うつ病のような精神的な不調が見られます。一般的にあまり知られてはいませんが、そのために医師でもうつ病や自律神経失調症と間違えやすい病気が、長期間に及ぶ過労が蓄積することで起こる「慢性疲労症候群」です。慢性疲労症候群のはっきりした原因はわかっていません。
病気というのとは少し違いますが、他の病気の治療のために受けている投薬の副作用も、うつ病に似た症状が現れるものがあります。C型肝炎や腫瘍の治療で用いられる「インターフェロン」は、副作用でうつ病の症状が出ることが知られています。
他に、「レセルビン」という高血圧症治療の薬でもうつ病に似た副作用が認められます。薬の使用は医師の判断で行ないますが、副作用についてインターネットなどで調べておくこともできるでしょう。